過失相殺とは、損害賠償額を決めるにあたって、被害者側の落ち度・不注意も考慮して、損害賠償額を減額することをいいます。損害の公平な分担と言う見地から認められているものです。
過失割合をどのように認定するのでしょうか。東京地方裁判所交通部が、約270類型以上もの様々な交通事故の態様に応じた過失割合の基準と過失割合の修正要素を定めていて、実務では、その基準を参考にしつつ具体的な事故態様や事故状況を考慮して、双方の過失割合が判断されます。
なお、交通事故の被害者のかたの中には、「過失相殺なんてとんでもない!自分はまったく悪くない!」と頑なに主張して過失相殺を一切認めようとなさらないかたもいらっしゃいますが、「過失相殺」における「過失」とは、刑法上の「過失」とは別の概念で、損害の公平な分担の見地から公平な賠償額を決める為の調整要素としての「過失」に過ぎませんので、誤解なさらないようにしていただきたいです。
実際、@信号待ちで停止している車両に後続車が追突した場合や、A一方の車両が完全な信号無視をした場合、Bセンターラインオーバーして対向車に衝突したような場合を除いて、過失割合が0:100になるということは、あまりないのが実情です。
|